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2001年11月 農業情報コンサルティング株式会社 田上隆一
はじめに
『農業情報』という言葉が定着したかどうかは確かなものではないが、この15年ほどこの言葉をずっと使い続けている。農業は、農産物を作ることであるが、誰が買っているのか、どのように作るのか、どうやって運ぶのか等、“情報”という視点から把握する必要があると考え、様々なところで議論を提起してきた。本稿では、農家・農村、あるいは生産の側から見た最近の生鮮の動き、さらにはそれに向かって農家は何をしたら良いのかということを中心に記述する。また、サブタイトルに、『食糧生産の透明性を高める生鮮流通改革』を挙げた。この点に関しては、周知の通り、ここ数ヶ月に食の安全に関して極めて重大な事件が立続けに起こっている。新聞によると筆者の身近な茨城のある農協が抗生物質を使って育てた豚を「抗生物質を使用せず」と偽り売っていたことが明らかになった。農協には以前、立派な指導者もいて、極めて優れた運動を展開し、農家からも消費者からも信頼を築き上げてきた。しかし、このような事件により信用はいっぺんに失墜する。真面目にがんばってきた農家も完全に農協に裏切られたということである。このような事件を見ると、農業生産と経済性について、消費者の視点抜きに考えるわけにはいかず、そうすると生産と流通の「透明性」、すなわち情報開示がキーワードとなる。経営上の情報や結果だけでなく、農産物流通全体のプロセスが把握可能な「社会的な透明性」が問われている。この部分は、これまで農業情報という切り口からみても、取り組みが十分でなかったように思われる。このようなホットな話題も含めて幾つか紹介していきたい。
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